これを読んだ方は唐突になぜ……?
となってしまう気もしますが、このブログを含めた二つのブログのドメインを変更したのでお知らせです。
変更元と変更先
変更点としては下記の通りです:
the.kalaclista.com→the.nyarla.jplet.kalaclista.com→let.nyarla.jp
一言で言うと、
kalaclista.comの利用を取り止めて新たに取得したnyarla.jpを使うようになった
という感じですね。
なお旧ドメインからは全面的なリダイレクトを仕込んでおいたので、恐らく以前利用していたドメインのTLLキャッシュが消え、ブラウザ側のキャッシュも消えたら新しい方へ自動的に切り替わると思います。
変更した理由
一言で言えば「アメリカ政府(正確にはトランプ大統領)によるドメイン接収に備えるため」です。なお今回は旧来から利用している nyarla というIDを用いて nyarla.jp という .jp ドメインを取得しました。
この判断は、私が、
現状のインターネットを含めたICTインフラはアメリカ企業に強く依存しており、アメリカ当局が
アメリカ企業へインターネットインフラの禁輸措置を命じるだけで相手国のICTインフラを破壊できる立場にある
という考えを持っていることと、昨今の国際情勢の不安定さから自身のインターネット資産を守る、という文脈で今回の行動を採ると決心したという感じです。
これは現状、日本のインターネット事業者のインフラ利用先にAWSやGoogle Cloud、Oracle CloudやMicrosoft Azureが集中して利用している点や、AWSなどのクラウドインフラが多数国に事業を展開していることから、この様に考えています。
※商用OSが事実上アメリカ企業からしか提供されていない、という点も上記の考えの根拠になっていますが、今回の話において本筋ではないので省略します。
ただそれ以上に重要なこととして、今のインターネットの大多数はアメリカ事業者が管理・運営するWebドメインを利用しているという点です。
WebにおけるドメインはどんなWebサービスにおいても単一障害点であり、仮にどれほど堅牢なインフラを構築していたとしても、ドメインを接収されてしまえば、そのWebサービスはWebから消滅します。
この観点から見たとき、もし仮にアメリカ政府が自身と対立的態度を採る相手国に対し、ICT文明を人質に取るならどこが最も効果的か、と言えば、Webドメインの接収が一番強力かつ効果的だと判断するのではないか?という疑念が今回の行動に繋がりました。
私は今まで .com や .net というドメインを使用してきましたが、.com や .net のドメインレジストリはアメリカ企業であるVeriSign社が担当しています。
となると、VeriSign社はアメリカ企業ですから、当然、アメリカの連邦法や州法に遵法する義務があり、それが理不尽な大統領令であったとしても、アメリカの企業である限り、それに従う義務が発生します。
もし仮にアメリカ政府が、例えトランプ大統領以降の大統領であったとしても相手国のICT文明へ打撃を与えるためにはWebドメインを強制的に接収すれば効果的である
との考えを持っていれば、アメリカ企業に管轄があるWebドメインは常に接収のリスクを負うという事態となります。
よってこの点が、私にとって .com や .net などのgTLDsでも地政学的リスクがある、と判断した理由です。
それ以外にも、例えば以前 .org ドメインの管理事業が正体の良く分からないファンドに売却されかけた事がありました。
この時はアメリカの裁判所が .org の重要性を鑑みてファンドによる買収を認めない、という形で話は終結しましたが、
この .org の時のように、国外企業の管理するgTLDsは常に不透明な売却に晒されるリスクがあります。
また、昨今新規に出来てきたnewTLDsにおいては、ドメイン事業の持続性に疑問のある事業者もあるほか、これもその事業者の所在地によってはアメリカと同等か、それ以上の地政学的リスクがあると考えられる場合もあります。
その他、自国以外のccTLDsを利用した場合、その国の国際情勢の影響を受ける、という点もあります。
これは例えば .io ドメインが代表的な事例ですが、 .io ドメインは io と言うCountry Codeが指す地域の国土返還が予定されており、これに伴ってCountry Codeとしての io は消滅するという事が確定しています。
そのため .io ドメインもそれに伴って消滅するリスク(今後どのようになるのかは分からない)と言う状況となっており、自国外のccTLDsの利用もそれなりにリスクが伴います。
……とここまで考えて、
- 地政学的リスクが国際情勢に影響されない
- 維持費用がそれほど大きくない
- 居住地を日本から移さない前提で、どのTLDsを選ぶと最も安定するか
という観点でドメインを選んだ結果、
うん、これ
.jpドメインを取って、色々集約するしかないんじゃない?
という結論に至ったのが今回のブログドメイン移動の顛末となります。
それって結局は杞憂なんじゃねーの?
……とここまで理由を色々述べてきましたが、これを読んだ方には、
そんなもん杞憂でしょ。そこまでする必要ってあるの?
と思う方もいるかもしれません。
確かにこれは杞憂の類い、過剰反応である可能性は否めないと思います。
ただし、上記が現実の脅威となった時、私にとっては .com や .net ドメインを利用し続けるとかなりの規模で被害を受けるため、上記が現実となる前に色々と手を打っておこう、という事が今回の行動に繋がっています。
例えば私のメールアドレスは今まで nyarla@kalaclista.com で統一していたのですが、これが使用不可能になると、ほとんどのサービスでメール受信が出来なくなります。
無論メールアドレスが不通でもログインが可能なサービスは当然ありますが、中にはメール受信を前提としたサービスもあり、これが使えなくなると復旧が出来なくなるサービスも存在します。
このため、そう言った事態を避けるためにも安定したドメインのメールアドレスが必要であり、そう言った面も含めて、今回、ドメインの総引っ越しをすると決めた次第です。
またその他にも、
- 連合系SNS(Fediverse)で音信不通になるのを避けたい
- 自分の記録物であるブログの存続性を維持したい
- そもそも以前から脱アメリカ製サービスがしたかった
などなど……と言った理由もあり、それらも当然含んだ上で今回の行動を決心した、という次第です。
以上
まぁ、今回の話はまだ作業道中の話であって、完遂した訳ではないのであんまりのんびり出来る話でもないのですが、とは言えメールアドレスの類いは登録先ば膨大であるため、この辺りを変えていくのは骨が折れるよな〜と思ってます。
また今回のドメイン変更では脱アメリカ製Webサービスも同時にやっているため、今まで便利に使っていたサービスを抜けて、自身の管理するVPSへセルフホストしたソフトウェアに諸々のデータを移していたりもします。
まーセルフホストしたサービスも開発元がアメリカだったりGitHubやDocker Hubからコンテナイメージを引っ張って来てるので、そこもどうなのかなーと思わないでもないんですが、そこは今後の課題として、とりあえず今はドメインやメールアドレスの変更に注力したいな、と考えています。